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フランダースのサイバーセキュリティ

デジタル時代の到来により、数々の新しい技術がもたらされ、私たちの生活はこれまで以上に効率化され、生産的になりました。とはいえ、こうしたイノベーションの導入に伴い、人、企業、政府は取り扱うデータを保護する必要が出てきました。既にICT分野で優位性を発揮しているフランダースは、サイバーセキュリティおいて新しい研究に取り組むための最適な環境が整っている地と言えます。

フランダースにおけるサイバーセキュリティイノベーションのエコシステム

フランダースには、企業、研究者、機関や協会向けのシステムが整備されておりデジタル社会における安全性の開発に貢献しています。さらに、フランダース政府貿易投資局では、ICT相談窓口を設置し、フランダースに進出する海外の情報セキュリティ企業を対象に、必要とする情報提供や相談を受け付けています。

フランダースから誕生したもっとも画期的と言えるイノベーションは、Rijndaelアルゴリズムで、世界中の何百万というデバイスの安全性を確保するために使用されています。また、NATOEUなどの国際機関は、本部をブリュッセルに置き、極秘データを保護する上でフランダースのサイバーセキュリティリソースを利用しています。同様に、SWIFTEuroclearならびにEuropayなど、他にも数多くの金融機関もフランダースに拠点を置いています。

サイバーセキュリティ事業を成功へと導く優位性

フランダースには、サイバーセキュリティビジネスを立ち上げる上で必要なICTの専門家が揃っているだけでなく、研究機関や業界トップの企業が拠点を置き、ビジネスが根付くような支援活動を行っています。

コンピュータセキュリティに関連してフランダースが強みを持つ分野は以下の通りです。

マイクロ&ナノテクノロジー
ネットワークテクノロジー (英語のみ)
スマートシティ
モノのインターネット
モバイルアプリケーション
フィンテック

情報の保護

スマートセンサー、チップ、ネットワークの開発に伴い、信じがたい量のデータを生成し、処理できるようになりました。その結果、幅広い分野において著しい発展を遂げました。ビッグデータは生活に変化をもたらします。データセキュリティへの野心とフランダースの専門家らをつなぎ合わせることで、ビッグデータの活用によりインパクトを受ける以下のような分野で大きく前進することができます。

ルーヴェン大学、Galileoのセキュリティ向上に貢献

欧州委員会が主導する新しい衛星ナビゲーション、ガリレオ(Galileo)は、衛生信号が偽造し難いという発想に基づいて開発されました。

コンピュータセキュリティを専門とするルーヴェン大学の科学者が、同委員会と緊密に協力し、TESLAの電子署名を基本とする新しいタイプの認証方法の開発に取り組みました。

ガリレオ衛星は、2018年にこの方法での通信が可能となり、欧州のすべて衛星が2020年には利用できるようになります。

Galileo satellites 15–18 being deployed from their dispenser at 22 900 km altitude

有能な人材の宝庫

フランダースには、ICTやデータセキュリティに関連する実用的な学士、修士号を取得することができる大学付属カレッジがいくつかあります。以下で紹介いたします。

  • 工学修士: コンピュータ科学 - ルーヴェン大学では、先端を行くコンピュータやソフトウェアシステムを駆使して、開発業務の最前線で活躍する専門家になれるよう、学生たちに学ぶ場を提供しています。
  • 数理工学修士 - ルーヴェン大学のこの学位は、フランダース独自のもので、データの保護に役立つ暗号化アルゴリズムの創出を対象としています。
  • 応用情報修士 - ルーヴェン大学では、データ処理システムの設計と監理に関する教育を行っています。
  • 数理情報修士 - ゲント大学では、コンピューティング、暗号法、符号化理論において高度なスキルを習得するための授業を行っています。
  • コンピュータ科学情報セキュリティ修士 - ゲント大学では、ITを社会や経済活動にどのように活用するのかについて学ぶための場を設けています。
  • コンピュータ科学修士: データ科学 - アントワープ大学にあるこの1年間の修士課程プログラムでは、コンピュータ科学の枠組みにおける、データ科学のあらゆる側面について学びます。 
  • 応用科学および工学の理学修士: コンピュータ科学 – ブリュッセル自由大学では、研究や社会におけるコンピュータ科学の応用を深く理解するための授業を行っています。

フランダースへの事業進出

フランダースで事業を立ち上げたり、現地法人を開設したりする企業は、以下の優遇制度を利用できます。

特定の優遇措置

フランダースでは、暗号化、サイバーインテリジェンス、セキュリティデータ分析、科学捜査などの研究集約型セキュリティ分野を対象とした財政支援制度を設けています。以下でその一部をご紹介いたします。

  • イノベーションの所得控除 – イノベーションから得た純利益の最大85% を非課税対象として控除
  • 研究開発費の控除 – 取得価格/適格資産の13.5%または減価総額の20.5%を控除
  • 所得の80%を控除 – 特定分野における研究者の所得源泉徴収税を控除

R&D tax incentives in Flanders

ご存知でしたか?

  • 20億台以上のデバイスの安全を確保するために使用されている、Rijndaelと言う名前のアルゴリズムは、ルーヴェンで開発されました。
  • 世界有数の暗号化されたメッセージプラットフォーム、Signalを生み出したセキュリティの専門家フレデリック・ジェイコブズ氏は、ブリュッセルの出身です。